RPA導入の課題とは? 想定できるデメリットと解決策

RPA課題

 

ホワイトカラー分野では、RPA(Robotics Process Automation)導入で深刻な人手不足解消やヒューマンエラーの軽減が期待できます。働き方改革推進に一石を投じるツールとして世界中で注目されています。また、将来的には莫大な人件費削減に寄与するでしょう。一方、RPA導入での失敗や課題がささやかれています。その原因は技術的なものでしょうか。RPA導入で想定できるデメリットと解決策を考えていきましょう。

※RPAについては「RPA【自動管理】導入前に! ツールを比較するポイントとAIとの違い

 

■課題1.「不正アクセス・セキュリティー」

RPAはロボットと言われたとき、漫画のロボットをイメージされたかもしれません。しかし、コンピューターシステムです。サーバーやアプリケーション、システムなどと同じようにセキュリティーシステムが脆弱だと、悪意の攻撃による誤作動が想定できます。また、機密情報や顧客情報の流出・漏えいの恐れも出てきます。そして、管理部門はセキュリティ意識があったとしても、実際に運用する現場レベルでは配慮がないのであれば問題です。

 

解決策⇒管理者・運用者(実行者)・設計者が持つアクセスの権限を必要以上に与えない。ユーザー視点になり過ぎないようにし、社員教育をほどこす。そして、何よりも「強固なセキュリティ対策」です。RPAとセキュリティ対策はセットで検討します。

 

■課題2.「システム障害による業務停止」

RPA固有の課題ではありませんが、システムやサーバー障害による“業務停止”が想定できます。導入だけでなく、万が一の“冗長化”(障害発生後によるシステム維持のバックアップシステム)を行っていないと、業務停止で機会損失が発生してしまいます。また、不測の事態に備えた復旧目標の設定と、その仕組みが必要です。

 

解決策⇒業務停止による影響を明確にして、コストに見合った冗長化を構成します。注意が必要なのは、システムだけでなく“RPA”にも冗長化を講じておくことです。

 

■課題3.「既存システム変更」

RPAはExcelマクロとは違い、複数の定型業務(ルーティンワーク)を自動化するツールです。そのため、業務をまたがって運用できるメリットがあります。しかし、例に挙げると、ビジネス部門がプロセスを変更した場合(作業の順番を入れ替えるなど)、その内容がPRAに適切に伝わっていないと誤作動を引き起こす可能性が出てきます。RPA新規導入時点のプロセスと、導入以降のプロセスは変更されていくのが一般的です。業務が変更されたときに、「RPAも合わせて変更する流れ」、「現場と管理部門の情報共有」ができていないと、誤作動が発生するリスクがあります。

 

解決策⇒運用者と管理者との情報共有、プロセス変更のさいにRPAも変更しテストを行うことを運用ルール化します。一般的なRPAは、自己学習機能を持つAI(人工知能)とは違うツールです。

 

■課題4.「問題をさかのぼって解明できない(ブラックボックス化)」

RPA新規導入時だと、設計に携わった担当者や管理者が存在します。「業務内容、実行プロセス、実行手順」などの意味が分かる社員が、何らかの不測の事態に人手で業務や対処ができます。

 

しかし、担当者が変わった、長年RPAを使ってきて関係者がいなくなることが想定できます。結果、仕事の内容を理解できない人だけでは問題の解明や対応ができない恐れがあります。いわゆる、テクノロジー導入による“ブラックボックス化”です。

 

解決策⇒RPAが実行しているプロセスを人手でもできるように“マニュアル化”しておき、共有情報にしておきます。「RPAの実行ボタンを押す」だけで、実際の仕事の中身は誰も分からない状態にしておかないことです。

 

■課題5.「例外処理の扱い」

RPAは「単純・大量」の業務を自動化(24時間・365日)します。例えば、金融機関の年間15万件分の新規申込や支払いをRPAが人手に代わって処理するなど業務の効率化に力を発揮しています。人件費・ヒューマンエラーの削減など莫大な恩恵がある一方、例外処理の基準を明確にしておく必要があります。RPAに例外処理をやらせるのか、人手に頼るのか、明確な基準を設けて設計しておかないと、誤った処理を行っていてもエラーを見逃す恐れがあります。

 

解決策⇒RPA新規導入にあたり、非常にまれな例外処理も洗い出し、基準を明確にしておきます。業務の棚卸の精度を高め、十分なテストを行います。

 

最後に

 

日本は主要先進7カ国の中で、最も労働生産性が低いようです。働き方改革に関心が集まる中、経済産業省2030年までに15年のGDP比1・6倍を掲げていますが、人手だけでは現実不可能な数値と言えるかもしれません。

 

しかし、デジタルレイバーと呼ばれる「RPA」の導入が平等に多くのチャンスを与えてくれます。

 

なぜならば、大企業とスタートアップ企業のルーティンワークに違いがあるでしょうか。どこも同じです。この先、定型業務にいかにコストや人材を避け、コア業務に力を入れられるかで生き残る場所が変わってくるのではないでしょうか。

そのために、失敗しないRPA導入を参考に生産性向上を目指してほしいと願います。

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