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2016年10月21日、経済産業省は「情報処理安全確保支援士」(支援士)制度をスタートしました。これまでセキュリティ関連の資格がたくさんあった中で意外に思われるかもしれませんが、この資格は情報セキュリティ分野で初の国家資格となります。

この支援士資格を取得すると、資格者はサイバーセキュリティ確保のために企業に対して有効な助言や情報提供を行うことができ、また実務上も安全な情報システムの企画、設計、開発、運用に携わるに十分な知見を持っているとみなされます。

国家資格である「情報処理安全確保支援士」は一般に公開される支援士登録簿へ登録することが可能となり、情報処理安全確保支援士と名乗ることができます。この名称は「弁護士」や「税理士」「中小企業診断士」などと同じく士業として名称を独占して使用できます。

「士」という名称の持つ特別な安心感や専門性を保証するために、登録申請には申請書、戸籍謄本か住民票の写し、合格証、身分証、誓約書、その他登録事項に関する公開届出書などが必要となります。
企業や公的機関などが信頼できる「支援士」を探したい、という場合には、弁護士名簿や税理士名簿を探す感覚で身元のはっきりとした情報セキュリティの専門家を探すことができます。

また、そうした社会的身分の保証とともに、技術レベルにおいてもこの支援士は高度区分の「情報セキュリティスペシャリスト」「テクニカルエンジニア(情報セキュリ)」と同等となっており、その点からも「支援士」という肩書の持つ専門性が保証されています。

ここで、なぜ既存の「情報セキュリティスペシャリスト試験」を廃止して新しく支援士をスタートする必要があったのかを考えてみましょう。

情報セキュリティ分野は日々新しい技術が生まれています。サイバー攻撃の手法も日々進化している中、わずか数年前の知識が役に立たない状況になっています。

従来の「情報セキュリティスペシャリスト試験」などの国家試験は有効期限がなかったため、合格時に身に着けていた知識も年々古くなり、数年経てばあまり役に立たない情報となっていくことが実情です。そういった現状から3年で更新の新資格が誕生したわけです。

企業のセキュリティ対策において重要なのは、セキュリティポリシーの策定などの基本的な実務もさることながら、最新の情報を常にインプットして的確に現場のセキュリティ対策の実務にアウトプットできることです。また、セキュリティポリシーの策定自体も基本的なルールについては確立されたものが多いとはいえ、セキュリティ対策の進化・進歩とともに柔軟に時代に合わせたアップデートが必要です。

こうした現実に役に立つ知識を駆使できる人材として「支援士」は、セキュリティ実務を仕事したい貴重な資格といえます。

では、どのような方におすすめの資格なのでしょうか?企業へのサイバーセキュリティ分野でのコンサルタント業を行っている人や他の士業を行っている人は支援士を取得することで、現在の業務において差別化できます。また、エンジニアにとっては、幅広い知識を身に着けてキャリアアップできるため有益です。

この記事をご覧の方は、情報セキュリティ分野への関心や経験が豊富な方が多いので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。当ブログでも、支援士の取得を目指した受験記をスタートいたします。

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