目次
ひとり情シスは「無能」だと思われている現状
急激にDX化が進む現在、企業の存続や成長のために、ITは必要不可欠な技術となっています。
その中核を担っているのが「情報システム部門」です。
情報システム部門の中でも、昨今「ひとり情シス」という言葉が話題となっていることをご存知でしょうか。
「ひとり情シス」とGoogleで検索すると、
「ひとり情シス 無能」という項目が上位に表示されます。
また、同様にTwitterで「#ひとり情シス」と検索した場合も、ひとり情シスの方に対する風あたりの強い発言が見受けられます。
しかし、社内のシステムに関する業務全般を担う情報システム部門が不必要であるはずがありません。
この記事では、ひとり情シスが「無能」ではなく、企業活動において「重要な役割」を担っていることをお伝えします。
ITのなんでも屋さん「情シス」
そもそも情シスとは何を指し、どのような業務を担っているのでしょうか。
情シスとは「情報システム部門」の略で、業務内容を簡潔に表すと企業が業務で使用するシステムやインフラの立案・構築・保守・管理を担っている部門です。
業務内容の一例として
などがあり、これらの他にもITに関わる業務であれば、情シスが担当することになります。
会社によってはIT機器の扱いに疎い人も多く、情シスは社内のIT専門家として”なんでも屋さん”となるケースも多いようです。
コムスクエアの公式Twitterにて「#情シスあるある」を発信しているので、
気になる方はぜひ覗いてみてください。
社内のIT業務を一手に担う「ひとり情シス」
では、ひとり情シスとは何を指すのでしょうか。
察しの良い方はお気づきかと思いますが、「ひとり情シス」とはこの多岐に渡る情報システム部門の仕事を一人で担っている状態のことを指します。
本来1つの部門で担当する情報システム部門の業務を、一人で担当しなければならないため、彼らにかかる負担は非常に大きいことが想像できます。
では、ひとり情シスが担う「業務の一例」と「企業への影響」をご紹介致します。
社内システムの運用、保守
社内で新しいシステムの導入が決まった際、環境を整えたり、
基幹システムにおいてトラブルが発生した場合、迅速に解決にあたります。
例えば社内の基幹システムが何かしらの不具合でアクセスできなくなる、または動かなくなるだけで、社員の業務は滞り企業にとって大きな損失に繋がるケースもあります。
サーバやネットワークの管理
サーバやネットワーク環境を構築し、従業員がインターネットを利用する上で欠かせない設備を整えます。
ITシステムを導入する場合、必ずインフラの構築が必要です。インフラ基盤の構築に問題があると、情報漏えいなどの問題にも繋がりかねません。
設計から導入、そして導入後も障害が発生した際の対応などを担当します。また、その他社内情報のアクセス権管理、ITシステムのマニュアル作成も含みます。
セキュリティシステムの管理
社内で扱うシステムのセキュリティ対策や、セキュリティ面でのトラブルが起きたときの対処などを行います。
企業には顧客情報や社内の機密情報など、流出すると大きな損失を生む情報が多く存在します。その膨大な情報を守るため、日々セキュリティ対策を行います。
サポート・ヘルプデスク
従業員がITを円滑に活用できるようにサポートを行う役割も担っています。
現在、IT活用を推進する企業が多くなっていますが、社内にはITスキルに疎い人材も在席している場合が多いです。
簡単なインターネットの接続問題からシステムの不具合、社員の要望など、社内のITに関わる問題を一手に引き受けることも業務の1つです。
例えば、アプリケーションの使い方がわからない人にレクチャーしたり、ソフトが開かないなどのトラブルがあったときに対応します。
従業員数が多い会社になると、1日に何十件と問い合わせが来るケースもあり、サポートデスクとしての業務に翻弄されることになりかねません。
そのため頻繁に来る問い合わせを事前にまとめる作業や、マニュアルを整えておくことも必要となってきます。
IT資産の管理
企業内のPCやサーバ、スマートフォンやプリンターなど、社内すべてのIT資産の一括管理業務です。
IT資産は企業において重要な固定資産であるため、正しく管理する必要があります。
またIT資産を管理し定期的に見直すことで余分な経費の削減に繋がったり、より必要性のあるIT資産への投資を検討することができます。
そういった経営上における重要性を踏まえIT資産を管理することで、情報漏洩のリスクを防いだり、セキュリティー対策にも繋がるため、重要な業務です。
これらの業務は一例ですが、ひとり情シスがどれほど多くの業務を担っているのかお判りいただけたのではないでしょうか。
負担が増し続ける「ひとり情シス」
近年、急速に広まるリモートワークにより、新しいITサービスの導入や社員へのノートパソコンの支給、社員のネットワーク環境の整備等を行った企業も多いのではないでしょうか。
このような場面でも欠かせないのがひとり情シスの存在です。
ひとり情シスは上記のような社内システムやIT機器関連の整備、セキュリティ対策を、ひとりで担わなければならないのです。
ひとり情シス・ワーキンググループが2020年8月に行った「ひとり情シスの実態調査」では、全体の75%以上が多忙を極めていることも報告されています。
ひとり情シスは業務が多いだけではなく、どの業務も企業全体に関わる重要な責任ある仕事です。
企業とITが切っても切れない関係にある現在、もしその担当者が休職や退職してしまった際には、企業の情報システム部門は機能しなくなってしまうのです。
そして社内の情報システム部門が機能しなくなった場合、企業全体の活動にも支障をきたす恐れがあります。
ひとり情シスは企業において、いなくてはならない、絶対に欠かせない存在なのです。
まとめ ~ひとり情シスがいないと業務が滞る!~
これまで述べたように、ひとり情シスの業務は多岐に渡ることから負担がかなり大きいこと、会社が企業活動を行う上で欠かせないインフラを担っている重要な存在ということがお分かり頂けたかと思います。
普段、大きなトラブルなく企業活動が円滑に行えているのは、ひとり情シスの方が日々、運用・管理しているからこそなのです。また、ひとり情シスなしには、急激に変化する”現代の社会”へ柔軟に対応し、成長していくことは難しいでしょう。
しかし、このような超重要人材である「ひとり情シス」は数多くの業務を抱えていたり、相談できるような人がいないなど、多くの課題を一人で抱えていきます。
安定した企業活動を行うためにも、情報システム部門の重要性を再確認し寄り添う必要があるのではないでしょうか。
弊社では情報システム部門が抱える業務を少しでも効率化できるような記事を配信しております。是非、以下の記事をご覧ください。