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サーバー運用監視ツールは、従来は、機器が正常に動作しているかを確認するものが主流でした。

しかし、クラウドの利用が進むにつれて、以前の機器の動作確認の監視だけでは、
ユーザーに快適にサービスを提供できているかの指標として不十分になってきました。

クラウドの利用については、以前は、クラウド導入の懸念材料としてセキュリティ面が注目されていましたが、サーバーの実運用にクラウドが使われ始めて急速に注目されるようになったのが、パフォーマンス問題です。

目次

パフォーマンス問題とは

エンドユーザーがサービスにアクセスした時にレスポンスに時間がかかり、快適なサービスを提供できないことを指します。

クラウド型サーバーの利用が増えるとともにパフォーマンス問題が注目されるようになった理由は、クラウドの利用によって、自社ではシステム変更していなくても、クラウド側の影響を受けて、パフォーマンスが変化する可能性があるからです。

クラウド環境の特長と課題


1つの機器が仮想化によって複数のシステムで共有されている、という点です。
このことは、クラウド側の環境変化によって、自社のシステムが影響を受けることを意味します。

たとえば、同じクラウドを利用している他社システムのユーザーの増加や、クラウド側のシステム変更の影響で、自社システムでは何の変更もしていなくても、自社サービスのパフォーマンスが悪化することがあります。

自社でコントロールできない理由によるパフォーマンスの悪化は、機器の正常動作を確認するという従来のサーバー監視手法だけでは、知ることができません。
そこで、ユーザーが快適にサービスを利用できる環境かどうかの評価指標として用いられるようになってきたサーバー監視の手法が、ユーザー体感監視です。

ユーザー体感監視とは

エンドユーザーがサービスにアクセスした時に、レスポンスまでに何秒かかるか計測し、サービスレベルの指標とするものです。
いくつか手法があり、ネットワーク上に仮想ユーザーを設定して、定期的にシステムにアクセスしてレスポンスタイムを計測する方法や、ネットワーク上のすべてのパケットを監視し、全ユーザーのレスポンスタイムを計測する手法もあります。

サーバー監視の目的は、ユーザーが快適にアクセスできるサービス環境を提供することにあります。

クラウド型サーバーを利用している場合は、
自社の知らない間に、ユーザーのパフォーマンスが悪化している場合があります。
機器の正常動作だけでなく、ユーザー体感監視などの手法を取り入れるなど、サーバー監視の方法を見直してみる必要があるかもしれません。

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