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ビジネス用途でサーバーを選ぶ場合、「誰」がサーバーのマネジメントを行うか、という点に配慮が必要です。一般的にサーバーの自由度が高ければ高いほど、ユーザー側でのマネジメント(システムの管理、リソースなどの管理、稼働監視など)を求められる傾向があります。また、クラウド型のサーバーの普及にともない、マネジメントの方法論やトラブル対応のベストプラクティス(成功事例)も変化しつつあります。

主なマネジメントの選択肢

目次

サーバーのマネジメントをしない場合

リスク管理や責任区の点から、サーバーのマネジメントを極限まで減らしたい場合は、レンタルサーバーを使用することが推奨されるでしょう。一般的に、レンタルサーバーはサーバーのハードウェア、ネットワーク、主要なアプリケーションのマネジメントをサーバー会社が行うために、ユーザー企業はサーバーのトラブルに対して対応を意識する必要がありません。

現在のサーバーはシステムの不具合や機器の不調だけでなく、外部からの攻撃も想定して備える必要があります。直ちにセキュリティパッチが適用できるかなどの運用は、実務上はなかなか難しいところがあるかと思いますので、リスク管理としてレンタルサーバーを選択するケースも十分に考えられます。

ただ、レンタルサーバーの場合、サーバーで障害が発生した場合には、ユーザー企業にできうる対応、取りうる選択肢はあまりありません。基本的にはサーバー会社において対応が取られることを待つことになります。

ただし、その場合でもいち早くトラブルを把握するために、レンタルサーバー以外の場所からサーバーの死活監視などを行っておくことには意味があります。サーバー会社からの連絡は、一斉メールやウェブサイト上での告知となることが多く、トラブル発生から少し時間がかかることもあるためです。できるだけ早くトラブルの発生を把握することが被害の軽減に役立ちます。

アプリケーションのマネジメントのみを行う場合

マネージドサーバーは、主要なアプリケーション以外のマネジメントをサーバー会社が行うサーバー管理の形態です。レンタルサーバーよりも自由度が高く、様々なアプリケーションをサーバーにインストールすることができます。一般的にはハードウェアとネットワーク、システムの監
視はサーバー会社が行いますが、主要なアプリケーションの管理はユーザーが行うことになります。

セキュリティの観点では、セキュリティパッチの適用などはサーバー会社が担当することが多いように思えますが、利用規約によって多様に定義されていますので、サーバー会社に確認をする必要があります。

トラブルが発生した場合は、基本的にはサーバー会社の方で対応を行うことになりますが、自由度が高い分、ユーザーの誤操作などでシステムを破損した場合などは、サーバーの初期化などでの対応しか取れない場合も考えられます。管理者権限での操作に関しては、知識を持ったユーザーがリスクを把握したうえで慎重に対応することが前提とされています。

マネージドサーバーの場合、ユーザーはサーバー監視、ネットワーク監視を重視しない傾向があります。しかし、主要なアプリケーションがユーザーのマネジメントによることとなっている場合は、アプリケーションのパフォーマンス障害などは原則としてユーザー側で認知するべき事項となります。マネージドサーバーの自由度をサーバーの監視、ネットワークの監視にも活かしてスマートな監視を心がけたいものです。

インフラ以外のシステムのマネジメントを行う場合

マネージドサーバーは十分な自由度をもっていると感じるかもしれませんが、例えばシステムのOSなどを自由に選択することなどは制限されていることがあります。特定のOSでのみ動作が検証されているアプリケーションを使用したい場合などは、OSのインストールからユーザーで実施したいケースがあります。

その場合は、ハードウェアやネットワークなどのインフラはサーバー会社がマネジメントを行い、原則としてユーザーがシステムをマネジメントする責任分担モデルのサーバーの利用が有効な選択肢となります。普及しているクラウドサーバーなども、この形態をとっている事業者が主流です。

ユーザーはOSより上のシステムのすべての責任を負うことになります。そのため、システムやアプリケーションに精通したエンジニア、もしくは、それをアウトソーシングするサーバー管理事業者などの専門家が欠かせません。

トラブルが発生した場合には、インフラ以外はユーザーが自己解決する必要があります。また、バックアップなどもユーザーの責任となっているケースが多いため、広範なサーバー運用のノウハウ、サーバー監視、ネットワーク監視の経験などが求められます。

サーバーのすべてのマネジメントを行う場合

現在のサーバーにおいて、ユーザーがどうしてもネットワークやハードウェアといったインフラをマネジメントしなければいけないというケースは限られます。しかし、特殊なインターフェイスを必要とするサービスや特に精緻なハードウェア構成を要するサービスなども存在します。

近年めざましく普及しているIoT系のソリューションなどは、一般的なサーバーのプロトコルとは異なる通信の仕組みを持っていることもあるため、専用の処理ボードを搭載する必要が生じることもあります。

ほかにも、災害対応や事業継続性の点から、サーバーを格納するデータセンターのマネジメントを行うこともあるかと思います。サーバーの自由度は極限まで高まることになりますが、あらゆるトラブルが発生する可能性があるため、サーバー運用監視、ネットワークの運用監視を常に改善してシステムで起こるトラブルに速やかに対処することが求められます。

《 会社の規模別監視システム 4−3:エージェントレスを導入し、効率的な監視を図る

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