これまでの日本では終身雇用制度が採用されており、1つの企業で定年まで仕事をすることが重視されてきました。その働き方において重要な評価基準とされてきたのが仕事量で、どれだけ組織に貢献しているのかという点です。
しかし現在、少子高齢化により労働人口が減っていく中、仕事量から質を高める意識が高まっています。実際、多くの企業で生産性を高めるため業務改善に努めているのではないでしょうか。
本記事では生産性を高める方法を15選ご紹介しております。是非、ご覧ください。
目次
劇的に業務を改善するアイデア15選
昨今、業務改善に努める企業は増え続けています。それに伴い各企業のご担当者様は日々、業務を効率化するため、0からアイデアを考え続けているのではないでしょうか。
弊社では業務を改善するアイデア出しに悩むご担当者様に向け、劇的に業務を効率化させるアイデアを15選ご紹介いたします。
まず初めに業務改善が求められるようになった背景からご説明いたします。
「いま」取り組まなくてはならない業務改善
企業に業務改善が求められるようになった根本的な原因は「労働人口の減少」です。
今後、少子高齢化の影響で減少していく生産年齢人口(15~64歳の人口)に対し現状の業績を保つ、或いは成長していくためには、1人当たりの生産性を高めなければなりません。そこで政府が主体となり働き方改革を推進するなど生産性を高める動きは活発化しています。
また業務改善に努める企業は多くのメリットを享受することができます。例えば「従業員の満足度向上」です。業務内容が見直されることで本来取り組みたかった業務に注力することができるようになり、仕事に対する満足度が向上するなど企業としても取り組むメリットが充分にあります。
少子高齢化の今、まさに急務となっている業務改善ですが、一体どのように取り組んでいけば良いのか悩んでいる方も多いかと思います。そこで業務改善において重要な考え方を紹介し、具体的なアイデアを15選ご紹介いたします。
業務改善を進める上で重要となる考え方
「業務が改善される」とは、過去と比較して「生産性(投下した労働量に対する成果)が向上すること」です。そのため「最適な労働量で最大限の成果を上げること」を目指しアイデアを考え、実行することが業務改善において重要となります。
では具体的に業務改善を進めていくにはどうすればよいのでしょうか。
業務改善を成功させるPDCAサイクル
業務改善を成功させるためには「PDCAサイクル」を回すことが重要です。
Plan:業務改善の目的を明確化し、実現する手段を考える
業務改善に取り組むに当たり、まず目的を明確にする必要があります。目的意識が曖昧なまま業務改善に取り組むと、「目的と手段」「企画側と実行者側」の齟齬が生まれてしまう可能性が高まります。
目的を明確にした次は、現状を把握しアイデア出しを行います。いま行っている業務を洗い出し、どの業務を優先的に改善するべきか優先順位を付け、その優先順位を元に業務をどのように改善していくべきかアイデア出しを行います。具体的な方法に関しては後程、詳細にご説明いたします。
最後に改善前と後で効果を測定できるように「KPIの設定」を行います。業務の処理時間や、アイデア実行後の従業員満足度など定量・定性、両方の側面からKPIを設定していきます。
Do:目標設定後に実行
業務改善に向け計画した内容を実行に移す段階です。この際、重要なのは「目標設定した上で実行すること」です。
業務改善に取り組む従業員1人1人が目標を持つことで、アイデアを具体的な行動に落とし込み実行しやすくなります。
Check:効果の測定
各従業員が実践した業務改善に向けたアイデアの効果を測定する段階です。事前に設定しているKPIを元に、改善前後の差異を評価します。
Action:測定結果を元に意思決定をする
測定結果を元に、実行したアイデアを「継続」「改善」「中止」するのか意思決定をします。更に実行したアイデアが上手くいった・いかなかった原因を突き止めることで、今後のアイデアの精度を高めることができます。
業務改善アイデア15選!生産性を高めるアイデア
これから現状を把握しアイデア出しを行うための方法についてご説明いたします。
まず生産性を高める上で重要なのは「大きな成果に繋がる仕事に取り組むこと」と「適切な人材配置」です。それを具体的な業務を例にマトリクス上に落とし込むと、以下の図になります。
実際の業務事例を元に、上記マトリクスを説明いたします。
①SNSの運用・管理
FacebookやTwitterなどのSNSの運用・管理をします。主に若手社員が担当し成果に直結するまで長い時間を要すため、比較的重要度が低い業務です。
②商品企画の立案
商品企画の立案では、マーケットの動向や競合他社の製品・サービスラインナップなどを調査し、新たな製品・サービスを企画します。マーケットに対する深い理解など専門知識を必要とし大きな成果にも繋がるため、人材代替性が低く重要度の高い業務です。
③情報共有のための会議
会議の中でも特に情報共有をすることを目的に会議は、人材代替性が高く重要度が低いと言えます。情報共有であればファイルやレポートを通じて誰でも行える上に、情報共有により生まれる成果を考えると重要度は低いと言えます。
④受注管理業務
顧客から注文が入った後、その注文内容の集計・確認から納品・請求業務に至る一連の作業が受注管理業務です。営業担当であれば誰もが経験する業務であるため、人材代替性が低く重要度の高い業務です。
改めて現状を把握する上で始めに行うべきことは「業務を見極め現状を分析すること」です。いま行っている業務を洗い出し「人材代替性」「業務の重要度」の2軸で業務を評価することで、業務を見極めます。
評価後、目的や課題を踏まえ上記マトリクス4象限の内、どこに注力するべきかを選択します。例えば従業員の残業時間を減らすことが目的で、現在、業務量が多すぎることが課題だと仮定します。その場合「業務をなくすこと」に注力しつつ、他の「業務の代替」「業務の効率化」も並行して行っていくことが重要となります。
業務の整理後、次に具体的なアイデア出しを行います。我々が考える業務改善へのアイデアを、上記マトリスクの分野に沿って計15選ご紹介いたします。
■業務の効率化
1.デスク回りの整理整頓
会社であればデスク回りを、在宅であれば部屋を整理整頓することで生産性を高めることができます。物が散乱していると注意力が散漫になりやすいため、整理整頓することで集中できる環境づくりをすることができます。
2.時間を計測する
タイマーなどを用い、各業務ごとに費やしている時間を計測することで業務の効率化を図りやすくなります。業務にどれほど時間を費やしているか把握していない場合、目標値の設定ができないため是非、タイマーを用いましょう。
3.業務のマニュアル化
普段取り組んでいる業務をマニュアル化し定型化することで、大幅に作業効率を上げることができます。詳しいマニュアルの作成方法は、以下の記事でご紹介されています。
⇒業務用マニュアルの作り方とは?マニュアル作成のポイントからおすすめテンプレートまで紹介
4.Web会議ツールの活用
Web会議ツールを活用することで移動時間などを削減することができます。「Zoom」や「GoogleMeet」、「Teams」などが有名なツールです。
5.ビジネスチャットの活用
普段社内でメールを使ってやりとりをしている場合、ビジネスチャットツールへ変更することでコミュニケーションのスピード・質が向上します。またコロナウイルスの影響で急速に普及しているテレワークとも親和性が高く、「Slack」や「LINE WORKS」、「Workplace」が有名なビジネスチャットツールです。
6.時間管理術「GTD」の実践
GTDは5つのSTEPで構成されています。「収集(業務の洗い出し)→処理(業務の分類)→整理(優先度付け)→レビュー(優先度の見直し)→実行」です。GTDを用いることで、これまでより効率的に業務を処理することができます。
詳しいGTDの活用法は、以下記事でご紹介されています。
⇒GTDとは? 意味、項目、基本ルール、手順について 重要なプロジェクトをすぐやるための時間管理術
7.ショートカットキーを覚える
普段の業務でショートカットキーを使用していない方は、使用するだけで大幅に工数を削減することができます。ショートカットキーについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
⇒【大好評】話題の「ショートカットキーが覚えられない!」がすぐに解決できる方法
8.フレックスタイム制を導入
人が最も集中できる時間帯は、遺伝で決まっていると言われています。そのためフレックスタイム制を導入し個人に合った働き方をすることで、生産性の向上を実現できます。
自分の集中できる時間帯が気になる方は、以下記事で紹介されています。是非、ご覧ください。
⇒人が仕事・勉強に集中できる時間帯はクロノタイプで決まっている
■業務をなくす
9.無駄な業務をなくす
タイトル通り現状行っている業務のうち無駄な業務をなくします。業務の目的や、どのように成果に繋がっていくのかを考えることで、やるべき業務なのか判断します。
例えば無駄な会議をなくしたい場合、本来の会議の目的や会議によってどのような成果が生み出されたのかを考えることで無駄な会議を特定することができます。
10.優先順位をつけ、締め切りを設定する
日々、大量の業務に追われているご担当者様の場合、改めて業務に優先順位を付け締め切りを設定することで業務を改善することができます。締め切りを付けることで、今日やるべき業務をなくす、或いは後回しにすることで1日にかかる負担を減らすことができます。
11.ナレッジの蓄積
業務で蓄積されるナレッジを蓄積していくことで、今後自分以外にも業務に取り組むことができる人材を増やす土壌を作ります。
■業務の代替
12.担当者の変更
従業員ごとに得意としている業務は異なります。そのため従業員の特性を踏まえ、業務の担当者を変更することで大幅な業務効率化が見込めます。
13.業務の自動化
定型業務はRPAを用いることで自動化でき、大幅な工数削減を実現することができます。WinActorやUiPath、BizRoboなどを筆頭に多数のRPAが展開されているため、慎重に選択する必要があります。
また弊社ではIT運用の自動化・効率化を推進する「IT運用自動化プラットフォームロボシュタイン」を展開しています。詳しくは以下URLからご覧ください。
14.業務の外注を行う
社内で工数がかかっている定義業務や、採用業務などの専門知識を要する業務を外注することで、より人材代替性が低く重要度の高い仕事に注力することができ生産性を高めることができます。
15.人材の育成
自分以外の後任者がいない場合、人材を育成する方法が有効的です。育成により部下のスキルアップにも繋がり、自分はより重要度の高い仕事に注力することができます。
ここまで15選のアイデアをご紹介させて頂きましたが、業務を改善する手段は他にも多く存在します。そのため常に自分が所属する組織にとって最適なアイデアを考え続けることが重要です。
業務を改善するに当たり留意するべきこと
最後に業務改善において特に留意しなければならないケースを2点ご紹介いたします。
1つ目は業務改善に向け新しい取り組みを行うことで逆に負担が増えているケースです。本来、生産性を高め従業員の負担を減らすことを目的としていたにも関わらず、実は従業員の負担が増加しているケースをよく耳にします。そのため必ずKPIを設定し、改善前後を評価する必要があります。
2つ目は顧客に提供する製品・サービスの質が落ちてしまうケースです。業務の効率化を求めていく内に早く業務を完了させることが目的となってしまい、最終的な成果の質が落ちてしまった企業も多いようです。常に目的を意識した上で、業務改善に努める必要があります。
上記2点の留意点に注意を払いながら、是非、業務改善のアイデア15選を活用してみてください。
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