目次
はじめに
ITシステムの運用や、業務の効率化には欠かせない運用自動化。
運用自動化ツールの導入を検討していても、無数にあるサービスの中から選ぶのは難しいものです。
本記事では「そもそも、なぜ運用自動化が必要か?」に始まり、運用自動化ツールを比較する際のポイントや、おすすめの運用自動化ツールを紹介します。
なぜ運用自動化が必要なのか
システムの複雑化と人手不足
社会のいたる所にITが取り入れられている今、企業が行うシステム運用の業務は拡大しています。
さらに近年、システムは多様化・複雑化の一途をたどっています。背景にはコロナ禍でのリモート環境の広がりや、DX(デジタル・トランスフォーメーション)による新しい技術への対応などがあり、システム運用の現場は対応に迫られています。
(参考:https://www.sbbit.jp/article/sp/116397)
一方、多くの企業で課題となっているのが少子高齢化による労働力の不足です。とりわけ日本におけるIT人材は足りていません。
経済産業省が既存の統計調査をもとに推計した「IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移」では、若年層の人口減少に伴い、2019年をピークにIT人材は減少すると予測されています。また、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇し続け、高齢化も見込まれます。
それらの予測とIT人材の需要を照らし合わせると、2030年には40~80万人の規模でIT人材が不足すると試算されています。
(引用元: 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 )
さらに、働き方改革により長時間労働を減らすことが求められており、1人あたりの業務量の確保が困難になっています。
2018年に成立した働き方改革関連法では、残業時間の上限が「原則月45時間、年360時間」と定められました。
繁忙期に限り例外が認められますが、「1ヶ月で100時間未満、2〜6ヶ月の平均で80時間以内(休日労働を含む)」かつ「年720時間(休日労働を含まない)」が上限です。
違反した企業には、半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
(参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」)
各企業が人手不足に悩むなか、増え続けるシステム運用の業務。
この課題に対応するためには、システム運用の効率化が欠かせません。
効率化だけでない、運用自動化のメリット
運用を効率化すると言っても、人手の効率化のみで対応することには限界があります。そのため、運用自動化は必須と言えるでしょう。
また、システム運用自動化がもたらすものは効率化だけではありません。他にも以下のようなメリットがあります。
・それまで運用業務を行っていた人材を、他の業務に割り当てることができる
・オペレーションコスト(人件費)の削減
・作業をシステムに代替することによる、人的ミスの削減
人手不足の課題を解決し、コストやミスの削減も可能な運用自動化。
運用自動化ツールの導入を検討しない手はありません。
運用自動化ツールを比較する時のポイント
では実際に運用自動化を進める際、どのようなサービスを利用すれば良いのでしょうか。
運用自動化ツールには様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、運用自動化ツールを比較する際のポイントを紹介します。
比較ポイント① 自動化する対象は何か
自動化ツールは、大きく「RPA」と「RBA」の2つに分けることができます。両者には、自動化の対象とする業務に違いがあります。
RPA(Robotic Process Automation)は、定型化された単純な業務を自動化するシステムです。請求書の処理や書類の電子化など、日々繰り返される作業を自動化することで、バックオフィス業務を中心に効率化を図ることができます。
RBA(Run Book AutomationはITシステムの運用管理を自動化するための技術のことで、ある業務の一連の流れをまとめて自動化することを目的としています。例えば、システム障害が発生した際に障害のレポートを作成し、アラートメールを担当者別に振り分けて通知するといった対応の流れを自動で行うことができます。
また、RPAとRBAは対象となるユーザーに違いがあります。
RPAはITリテラシーの高くない人でも使いやすいように設計されています。一方より複雑な業務を行うRBAは、情報システム部門などITの知識や技術を備えた人の使用が想定されています。
(引用元:https://it-trend.jp/rpa_tool/article/system_operation )
より複雑で広範囲な業務の自動化を行うためには、RBAが有効でしょう。
RBAの中でも、以下のようなツールでは自動化できる業務プロセスの幅が広がります。
・クラウド(外部の事業者が提供するシステム)、オンプレミス(自社で保有するサーバーやソフトウェア)の両方を自動化の対象とできるツール
・監視ツールやチャットツールをはじめ、多様なツールとの連携実績があるサービス
これらの条件を満たすツールとしては、robostein、JP1 Cloud Service/Operations Integration、Kompiraなどがあります。
比較ポイント② 料金体系
システム運用自動化の必要性が増していると言えど、運用自動化に費やすことのできる予算には限りがあります。
運用自動化ツールの料金はどのように設定されているのでしょうか。
JP1 Cloud Service/Operations Integration をはじめとする多くのツールでは、運用するシナリオ(一連の業務の流れ)の数や、自動化のプログラムを自社向けに開発するか否か、導入に向けたコンサルティングを実施するかなど、サービスをどの程度利用するかによって料金が変動します。
robosteinは、月額定額制のツールです。自動化の対象とする業務の選定や、効果の検証などの導入時のサポートも含めた料金です。定額制のため、運用自動化を進めるほどコストパフォーマンスが良くなる仕組みになっています。
Kompiraは幅広くシステム間の連携を行うサービスに加え、アラートの判断業務を自動化する「Kompira AlertHub」など、自動化するプロセスの内容に特化した4種類の製品を個別の料金で提供しています。
料金の決め方や金額は、運用自動化ツールによって異なります。
自社が導入した際のコストパフォーマンスの良さや、コスト管理のしやすさを元に比較検討することが大切です。
比較ポイント③ 機能が自社の運用に合っているか
運用自動化ツールには、国産のツールと外資系のツールがあります。
それぞれに特徴があるため、自社のシステム運用に合ったツールを選ぶ必要があります。
外資系の運用自動化ツールには、機能が豊富で、難易度の高い処理が可能なサービスが多いという特徴があります。例えばOperations Orchestrationでは、8,000種類以上のテンプレートから自社に合わせたフローを作成することができます。
ただし、システム運用や障害に対する考え方は国によって異なるため、海外での利用を前提に作られた外資系ツールでは、日本式の運用に合わせるために余計な工数がかかる場合があります。
一方、純国産の製品であるrobosteinは、国内の事業者目線で設計されています。そのため、日本での運用自動化が進めやすい仕様です。
なお、本製品は自動化のために数千種類のノードを準備しているため、細かな運用にも対応できます。
また外資系ツールと国産ツールには、マニュアルが日本語で用意されているか、英語や他の言語がメイン(または英語のみ)かといった違いがあります。
比較ポイント④ 管理画面の使いやすさ
運用自動化ツールを選ぶ際は、自動化フローを構築する際の操作のしやすさや、管理画面の使いやすさも考慮すべきポイントです。
Kompiraを元に作成されたCloud Archは、ダッシュボードのUI(ユーザーインターフェース)が日本のIT運用に合った仕様です。
また、 POLESTAR Automationはグラフィカルなダッシュボードを強みとしています。画面上のウィジェットを自由に配置でき、マウスのみで操作が可能です。
U Iを強みとするツールの例として、robosteinの管理画面を見てみましょう。
下図は、障害対応の一連の流れをフローにしたものです。運営者目線で作成されたrobosteinでは、ドラック&ドロップで簡単に自動化フローを構築することができます。
またダッシュボードでは、部署や業務種別で、業務の自動化によりどれだけの工数が削減されたのか、コストダウンにつながったのかなど、運用自動化における費用対効果をリアルタイムで把握できます。
比較ポイント⑤ サポートの充実度
運用自動化を成功させるためには、導入時のサポートも肝心です。
自動化する対象業務の選定や、作成した自動化フローの効果検証に寄り添ってくれるサービスを選ぶことで、より効果的な自動化が実現できるでしょう。
また、英語情報に抵抗感のある日本人ユーザーやチームが用いる場合には、日本語でのサポートが受けられるよう国産のツールがおすすめです。
運用自動化を何から始めて良いか分からないという方には、コンサルティングサービスを備えたツールもあります。Kompiraをもとに作成されたサービス「SNOPS」では、Kompiraのライセンスに加えた料金で、コンサルティングを受けることができます。
結論:運用自動化には、robosteinがおすすめ!
本記事では、運動自動化ツールを比較する際のポイントを解説してきました。
自動化したい対象の業務が決まっているという方には、robosteinがおすすめです。
なぜなら、robosteinには以下のような特長があるためです。
・クラウド/オンプレミスの両方を自動化の対象とした、RBAツール
・定額制で分かりやすい料金
・日本のシステム運用に合った仕組みとUI
これまで解説してきた上記のポイントに加え、robosteinは長年の実績に基づく導入サポートが評価されています。
robosteinを導入すれば、幅広い業務プロセスの中から優先すべきものを選び、過不足ない運用自動化を実現できるでしょう。
robosteinに関する詳しい情報は、公式HPやサービス資料からご確認いただけます。
公式HPはこちら
サービス資料はこちら
最後に
運用自動化ツールは、サービスの種類も比較検討すべきポイントも多く、導入コストも侮れません。自動化がなかなか進まず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、最大手の事業者に任せることがベストとも限らず「外資系か国産か」などで各サービスに違いがあるため、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
本記事のような解説を読むことに留まらず、まずはサービス資料のダウンロードや、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。