サーバー、と聞くと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
薄暗いデータセンターでランプがチカチカしている光景?特別な訓練を受けた技術者がカタカタとキーボードを操作しているという印象?あるいは、エンジニアの方であれば、もっと具体的にサーバーの印象をお持ちかと思います。
本来、サーバーという言葉はソフトウェアを指していました。ウェブサービスを提供するソフトウェアが、ウェブサーバー。メールサービスを提供するソフトウェアが、メールサーバー。ファイル管理をするソフトウェアが、ファイルサーバーといった形です。現在では、サーバーという言葉は、状況によって形を変えます。大型のコンピューターを指す場合もあれば、クラウド上の形のない仮想サーバーを指す場合もあり、もちろん、本来の意味であるソフトウェアを指す場合もあります。
共通していることは、なんらかの処理を行うために存在しているということとでしょうか。そうそう、OSと呼ばれる基本ソフトウェアのうえで、様々なソフトウェアが動作している点も、同じです。クライアントPCのOSは、マイクロソフト社のWindowsが圧倒的なシェアを占めており、存在感を示していますよね?サーバーの世界でも、やはりWindowsは存在感があるのでしょうか?答えはイエスです。
前回までの連載では、Linuxサーバーをもとにコマンドなどの説明を行いました。LinuxなどのUNIX系OSは、インターネットの黎明期から一大勢力としてサーバーOSとして働き続けてきました。多くの利用者からのアクセスを処理するサーバーは、もとのハードウェアのスペックが強力なものであっても、いち処理あたりに割り当てられるリソースは必ずしも多くなく、少ないリソースでも比較的安定するUNIX系OSが強みを発揮していました。
ただ、UNIX系OSは運用に必要な知識が少し高度な部分もあり、通常のクライアントPCに似たサーバー用のWindowsが動作するWindows Serverも、マウスで直感的に操作したい管理者、クライアントPCと同じソフトウェアを動かしたい管理者などから支持されています。現在、新たに出荷されるサーバーのOSは、Linux系のOSと、Windows系のOSが切磋琢磨しあう状況が続いています。
改めて…Windowsサーバーのメリットは何でしょうか?
今年、2016年にリリース予定のWindows Server 2016 のメリットとして、開発元のマイクロソフトは以下の点をウェブサイトなどでうたっています。
①SDDC (Software-Defined Datacenter)
Windows Serverなら、標準化された自動化ソリューションを使用して、あらゆるアプリ ケーション ワークロードに対応する柔軟性な環境を構築できます。
②画期的なアプリケーション プラットフォーム
クラウドでもオンプレミスでも場所は問いません。両方のリソースを使用できる柔軟性で すばやい開発と展開を実現できます。
③新しい展開オプション
依存関係を管理する時間が削減されるので、運用をさらに高速にスケールすることができ ます。
マイクロソフトとしては、業務や研究などの役に立つアプリケーションを、スピーディーに、効率的に開発して、それをコストパフォーマンスよく運用・管理できるプラットフォームとして、様々な提案をしようとしているようです。
目次
Windowsサーバーの素朴な疑問
Windowsサーバーのメリットの一つとして、クライアントPC用のアプリケーションの多くがそのまま動作することがあげられます。では、実際のところ、どのようなアプリケーションが動作して、どのようなアプリケーションが動作しないのでしょうか?
経験則となりますが、ハードウエアに絡むドライバー、例えばグラフィックボードのドライバーや無線機器のドライバーなどは、きちんとWindowsサーバーに対応したドライバーでないと動作しない、あるいは、動作が不安定になる傾向があるように感じます。
また、OSと密接に連携するアンチウイルスソフトやファイアーウォールソフトなどは、こちらもWindowsサーバー対応版でないと正常に動作しないと考えておいたほうが無難でしょう。
逆に、ビジネスアプリケーションなどは動作することが多いのですが、Windows Server 2008 R2バージョン以降は32ビット版の提供が原則として終了し、64ビット版の提供となっていますので、64ビット版のWindowsで動作するアプリケーションであることは必須となります。古いアプリケーションの場合は、配慮が必要なケースもあります。
Windowsサーバーの運用
Windowsサーバーの運用、特にサーバー監視やネットワーク監視、障害時のトラブル対応については、Windowsサーバーに特徴はあるのでしょうか?結論から言えば、サーバーのソフトウェア、利用者に対してできることはほとんど同じであると考えても差し障りないかと思います。安定性などに関しても、明らかな優劣はつきづらい状況です。
ただ、やはり基本ソフトウェアであるOSが異なりますので、プログラムの管理の仕方、CPUやメモリの使用状況の表現の仕方、ログの保管方法、スクリプトの書き方の違いなどがLinux系との相違点として存在します。
次回はWindowsサーバーの運用管理業務のポイントを、Windowsサーバーの監視に重点をおいて確認していきたいと思います。
《 会社の規模別監視システム 3−3:Linuxサーバーの障害通知メール,ログ自動保守
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