ECサイトを運営する企業にとって最も重要な事は、サーバーを安定的に運用することです。言うまでもなく、サーバーは利用者が安心・安全・安定的にサービスを利用できる状態にあってこそ意味のある存在だからです。
例えば、ECサイトにおいて商品を購入しようと思い購入ボタンをクリックしても応答がなかったら…。お客様はがっかりするでしょうし、みすみす、販売のチャンスを逃してしまうことになりかねません。
ECサイトをはじめとしたインターネットのサービスは、通常24時間いつでも利用できることが強み。その「いつでも利用できる状態」を安定的に提供するために必要なのが「サーバー監視」です。
ここでは、サーバー監視について、基本的なポイントをお伝えしていきます。
目次
サーバー監視をする理由、しない理由
一言に「サーバーを監視する」と言っても、方法は一つではありません。基本的に、複数の要因に目を配る必要があります。なぜならば、サーバーが正常に稼働していない状態は、要因が一つだけではないケースが大半だからです。
監視するべき対象を決め、本当に必要な監視なのかを考え、効率的な監視を行うために目的を明確にしておきましょう。
具体的に考えられる障害の要因と対策を挙げてみると…
1.サーバーが停止していないか ⇒ 外部ホストからpingコマンドの応答確認
2.サーバーにアクセスできるか ⇒ traceroute コマンドで、サーバーまでの通信経路確認
3.サーバーのセキュリティに問題がないか ⇒ ウイルス定義ファイル更新確認、不正アクセス確認
4.意図したサービスを提供できているか ⇒ 提供サービスの操作・動作確認
5.パフォーマンスの低下を招いていないか ⇒ レスポンス時間の確認
特に重要なポイントに絞ってあげてみてもこれだけ対策をしておく必要があるのですが、サーバー監視の項目が多くなった場合、その監視システムの構築には多額のコストが掛かってしまいます。
ビジネスであるからこそ、安定動作は必須とはいえ、利益に直結しにくい「サーバー監視」には大きな予算を掛けられないのが現状でしょう。
限られた予算の中で実際にサーバー監視を導入する際に検討すべきポイントは、なるべく価格を抑えつつ、どれだけサーバー障害が起こるリスクを下げることに貢献ができるかが重要になります。
サーバー監視導入のポイントはリスクの考え方
ここで改めて考えなければならないのは「リスクの考え方」です。どれだけ費用をかけても障害の起こるリスクをゼロにすることは不可能です。しかし、そのリスクを実害の出にくいレベルまで小さくすることはできます。
一般的に、サーバー監視で行うべきは「サーバーがサービスを提供できない期間をいかにして短くできるか」がポイントになってくるでしょう。
実務上は、障害の発生要因を全て無くすことは難しくても、予算とのバランスを考えながら発生確率が高い障害から効率よく対策していくことでリスクを最小限に抑えることができるでしょう。