一般的にサーバー監視には、監視プログラムとも呼ばれている「エージェント」が必要です。例として、人間に置き換えても分かりますが、健康診断などで自分を診断できないように、サーバーも自分自身を監視することはなかなか困難です。そのため、サーバーもエージェントという見守りを行うプログラムを置き、監視を構築します。
しかし、エージェントにはデメリットも存在し、今後、新しいIT資源調達を行う妨げにもなりえます。
ここではエージェントの3つのデメリットを知っておきましょう。
目次
1.エージェントはインストール、メンテナンスが必要
エージェントはプログラムなので、必ずインストールする必要があります。また、インストールを行うのでOSに対応したエージェントを組み込まなければならず、対応していないOSには監視を組み込むことができなくなってしまいます。
また、エージェントプログラムは常にアップデートを行い、監視に差し障りがない状態にしておく必要があります。そのため、メンテナンスのためのコストや、手間も考えておかなければならないのです。
2.エージェントのテスト環境を構築する必要がある
エージェントは単純にインストールすれば良いというものではありません。サーバーにインストールした際に不具合が発生し、サービスが停止してしまったら、可用性・信頼性が著しく低下することになります。
そのため、エージェントを導入しても問題がないかどうかを確かめるためにテスト環境を構築する必要があります。
その後、互換性や安定動作などの問題が無いことが分かったとして、それから本番環境への移行という作業が残っているため、さらにコストと手間が大きくかかってしまいます。
3.対象機器に負荷が発生する
エージェントプログラムは、構造上、常駐して見張っている必要があります。このため、本来使う必要のないリソースを無駄に使ってしまっている可能性もあり得るでしょう。
監視をされているサーバーは、エージェントプログラムの他にも、監視自体のリソースを消費しています。何よりも本来利用するべきユーザーへのレスポンスが低下する恐れがありますので、リソースはあまり食いたくありません。
エージェントレス機能で問題を解決
すべての監視ソフトが、エージェントを入れなければならないのでしょうか?実は、必ずしもそうではありません。例えば、エージェントレスと呼ばれる機能でエージェントを組み込まなくても、サーバーの監視を行うことが可能です。
エージェントレス機能で監視をすると、監視対象の負荷の軽減につながります。さらに、監視対象のOSや、バージョンにも左右されず、どんな環境であっても監視を組み込むことが可能です。
また、エージェントを使った監視では、アップデートなど保守の負担が大きいため、運用担当者を決める必要がありました。エージェントレスでの監視は、エージェントのインストールが不要な上、メンテナンスも不要。このおかげで導入コストや、作業コストも大きく削減することが可能になるでしょう。
ただし、全てエージェントレスが正しい訳ではありません。エージェントレスはセキュリティ面で不安感が残る場合もあるかと思います。また、強制的にセキュリティ設定を変更したり、不正ソフトや、USBの使用を禁止するにはエージェントのほうが得意です。
エージェントレスとエージェントのそれぞれの特徴を理解し、導入するようにしましょう。