「ロードバランサ」とは、ウェブシステムにかかる負荷を、複数のサーバーに分散させて、処理のバランスを調整するための装置です。「負荷分散装置」などと呼ばれています。
ウェブサイト、ウェブアプリ、クラウドサービスなど、インターネット上のサービス・システムは、いつ、どの程度のアクセスを受けるかわかりません。
何かのきっかけで、短期間の集中アクセスが発生することも、ままあります。
そういった爆発的なユーザーアクセスに備えて、
一般的にはウェブサーバーを複数台用意しておきます。
そして、システムの処理能力が不足してきた際などに、サーバーの台数を増やして処理性能を維持できるようにしておきます。
目次
機能を把握して、ロードバランサを最大まで活用
ロードバランサ製品を利用する際、ぜひ押さえておきたい、
具体的なポイントを4つ紹介します。
アプリケーションの死活監視も行える製品を選ぶ
製品によって、アプリケーションの死活監視を行えないものがあります。
そのような製品を選ぶと、「ネットワークは生きている、でも、アプリケーションがダウンしていてサービス提供できない」ような障害は検知できません。
サーバーメンテナンス時などに、トラフィックを切り離せる
ロードバランサの運用が始まった後の最も頻度の高い作業は、サーバーを負荷分散対象から切り離す作業です。
サーバーOS/アプリケーションのパッチ適用、バージョンアップなどの際実施します。
その際、ユーザーアクセス処理中に切り離すと、処理が停止されてしまい、サービス障害となってしまいます。
こういった障害を防ぐために、アプリケーションに対してユーザーセッションがすべて終了しているかチェックする機能が搭載された、トラフィック切り離し作業を行える製品を選ぶのがおすすめです。
「URIスイッチ」で、URIリクエストに応じたサーバー割り振り
コンテンツ、サービスによって開発・運用の担当部門が異なるウェブサイトでは、通常、あらかじめ、個々のコンテンツ/サービスごとに、異なるURIを指定してあります。
その内容をもとに、ユーザーからのリクエストを、指定されたサーバー群に自動割り振りします。
これが「URIスイッチ」機能です。
URIスイッチによるサーバー自動割り振りは、開発や運用体制の独立性を高め、効率的なサイト運用を可能にします。
セキュリティ必須、SSL証明書を集中管理
SSL処理の負荷は、2010年頃と比較して約5倍に跳ね上がっています。
跳ね上がったSSL処理負荷を、大幅に軽減するために、SSL証明書の入手・管理・更新を、集中管理できるロードバランサ製品があります。
集中管理を行うには、ロードバランサにSSLの暗復号化処理専用チップが搭載されたものを選んでください。