昨年4月、緊急事態宣言が発令されて以降、私たちの働き方が大きく変化しました。

これまでは社員の働く場所はオフィスで、決まった時間に電車などの交通機関を利用して、出社し退社するのが普通の働き方でした。
ですが、コロナウイルスが流行して以降、働く場所が自宅に代わり、これまで必要だった通勤時間がなくなるなど働き方が、180度変わったかと思います。

弊社では、そんなニューノーマルな働き方を約1年経験した新入社員からさまざまな部門の中堅社員まで、5人にインタビューし、メリットからデメリットまで様々な意見がでてきました。

本記事では、彼らがニューノーマルな働き方に対して抱いている課題の原因を追究しています。
テレワークに悩むご担当者様、是非、ご覧ください。

目次

テレワークで彼らが感じていた課題

彼らが、約1年間のテレワークを体験して、感じた課題とは一体何なのでしょうか?

3つの変革で取り上げました、「意識」「制度」「環境」の観点から、順々にまとめていきます。

意識:モチベーションが湧かない社員たち

弊社の社員に、テレワークをテーマにインタビューをしている中で、オフィスワーク時と比べ、仕事に対するモチベーションが湧かないといった声がかなり挙げられました。そこで、モチベーションが湧かない原因を、湧く社員と湧かない社員を比較しつつ、考察していきます。

大きく、以下の2つに分けて比較していきたいと思います。

1.モチベーションが湧かない新入社員と湧く中堅社員
2.モチベーションが湧かない中堅社員と湧く中堅社員

1.想像と経験の差

始めに、モチベーションが「湧く中堅社員」と「湧かない新入社員」を比較していきたいと思います。

新入社員はモチベーションが湧かない原因として挙げていたのは、組織の一員として貢献できているかどうか分からないことでした。コロナ禍で新卒入社した彼は、入社後、いきなりのテレワークとなり、他の社員とは業務範囲内でしか関わりを持っておらず、社内における自分の立ち位置・業務の関連性を「想像」で補っていたようです。
しかし、想像で補える範囲には限界があり、自分の行っている業務が、社内で、どのように貢献できているのかを実感することは困難だったのではないでしょうか?

一方で、モチベーションが湧く中堅社員は、これまでオフィスで働いてきた「経験」があります。そのため、テレワークに移行しても、オフィスでの経験を元に働くことで、組織の一員として貢献していることを実感していたのかと思います。

つまり、テレワーク下では「想像と経験の差が大きな課題となってくるようです。

2.仕事と生活の区切り

次は、モチベーションが「湧く中堅社員」と「湧かない中堅社員」を比較していきたいと思います。

両者の大きな違いは、「仕事と生活に空間的な区切り」があるか、ないかでした。

具体的に、モチベーションが湧く中堅社員は一軒家に住んでおり、仕事と生活の空間を区切っていました。一方で、モチベーションが湧かない中堅社員は、ワンルームに住んでおり、仕事と生活の空間に区切りがありませんでした。

このことから、「仕事と生活」の空間が混同してしまうと、仕事から生活へ生活から仕事への切り替えが難しくなり、結果として、モチベーションの維持が難しくなるようです。

制度:整っていない仕組み

コロナウイルスが流行する以前、オフィスワークを中心に設計された制度は、テレワーク下だと上手く機能しづらく、多くの課題を生み出しました。

そこで、オフィスからテレワークへと変わっていく中で、生まれた課題について評価と教育の観点から、2点ご紹介致します。

1.見えなくなったプロセス

これまでのようなオフィスワークでは、社員の働きぶりを目の前で見ることができました。例えば、電話対応をしている姿や顧客と商談をしている姿などを見ることができていたかと思います。

しかし、コロナウイルスの流行を皮切りに、テレワークという新しい働き方へとシフトしていきました。そのため必然的に、これまで目の前で見ることができた姿が見えなくなり、結果、評価制度に大きな影響を与えました。

出社していた当時はプロセス評価が中心であったのに対し、現状は、テレワークに移行することでプロセスが見えづらくなり、オフィスワークと同じような評価をしづらい状況になっています。

つまり、オフィスワークからテレワークへと働き方が変わり、これまで上手くいっていた評価制度も上手く機能しづらくなっているようです。この根本的原因は、「プロセスの可視化」ができない現状にあります。

2.対面からオンラインのコミュニケーションへ

テレワークに移行することで、これまで対面で行っていた教育も、オンラインで行う必要性が出てきました。

そんな中、課題として特に挙がってきたのは、「レスポンスのスピード」「学ぶ機会の減少」です。

レスポンスのスピードに関しては、対面と比較すると遅くなります。というのも、一度ツールを挟んでやり取りしなくてはいけない特徴上、文章を作成、確認、返信する時間のロスが生まれてしまいます。

また、学ぶ機会の減少とは、特に営業から上がった声として、コロナ前、営業では対面での教育が大半でした。例えば、先輩の姿を見て学んだり、また先輩に直接指摘してもらったりなどです。
しかし、オンラインに移行することで、直接学ぶ機会が減り、テレワーク下でも新たに学ぶ機会の確保を行う必要性を感じているようです。

環境:環境整備の必要性

自宅から仕事を行う必要性が出てくることで、自宅からでも業務を行える環境整備を行う必要性が高まりました。
そこで変えていく必要性が出てきた課題について、会社と個人の視点からご紹介致します。

1.会社の環境

テレワークへと移行するにあたり、自宅からでも業務を行える環境ができていませんでした。
というのも、会社ではデスクトップPCで作業をしていたり、タイムカードや申請書類などの多くは紙を利用をしていたためです。

そのため、管理部門を中心に改めてクラウド化を推進する必要性やテレワークに適したITツールの導入をしていく必要性を感じていたようです。

この1年間で全社的に関わる勤怠管理や社内申請業務はクラウド化を進めてきましたが、業務内容によってはクラウド化を進めづらい業務があります。例えば、管理部の業務である請求書などの社外との紙のやり取りです。請求書などは未だ紙ベースでの発行を希望する会社が多くあります。そのため請求書の印刷や発送は会社へ出社し業務を行わなければならないため、テレワークの弊害となっています。

つまり、クラウド化を進めるだけでは根本的解決に至らない業務を見えてきました。

2.個人の環境

部屋で働き始める中、当初から働くための空間設計をしていない社員が大半でした。そのため、仕事に対して、集中することができなかった社員が多くいたようです。

課題として、デスクワークをするにあたり、そもそものデスクがないといったこと、または座りやすい椅子がなく腰が痛くなるといったことがよく挙げられていました。

つまり、仕事をするための部屋づくりを行う必要性が出てきたようです。

テレワークは選択肢の一つ

さて、ここまで意識、制度、環境に沿って、テレワークに移行する中で出てきた課題について取り挙げました。

しかし、上記の課題を解決し、テレワークを進めていくことが正しいのでしょうか?

もちろん違います。あくまで、テレワークを進めることが良いことなのではなく、テレワークもできるといったような選択肢の幅を持つことが重要です。

というのも、開発のように違和感なくテレワークを進めることができるような部門から、紙のやり取りを行っている管理部のようにどうしても出社しなくてはならない部門まで様々です。つまり、テレワークに向いている部門や業務がある一方で、オフィスワークの方が向いている部門や業務があります。

そこで、社会情勢や従業員の価値観、企業文化を踏まえてテレワークか、オフィスワークかを選べるような状態を作っていく必要があります。

次回以降、全社的な視点から最適なテレワークを模索している経営層から話を聞いていきます。
是非、ご覧ください。

本ブログでは、テレワークについて「弊社が取り組んでいること」から「感じている課題感」まで、幅広く更新していきます。

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