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最新!データセンタービジネスの現状

新型コロナウイルスが流行した2020年から現在、各業界・業種は大きな変化が求められました。データセンタービジネスも、その例外ではありません。

これまでデータセンターでは、外気を用いた自然冷却を行ったり、マネージドサービスで利用するシステム監視ツールをオープンソースへリプレイスするなど「コスト削減」に励んできました。しかし今後、データセンタービジネスは「コスト削減」だけでは生き残ることができない競争の激化した時代に突入しています。

本記事ではデータセンター事業のマネージドサービスにおける監視基盤に数多く採用されてきた「パトロールクラリス」を展開する弊社コムスクエアが、今後のデータセンタービジネスに何が求められているのか、そして競争が激化するデータセンタービジネスにおいて、我々が提供できる新たな価値とは何なのかについて複数回にわたりご案内いたします。

我々が考察する「未来のデータセンタービジネス」を詳しく知りたい方は、是非、ご覧ください。

データセンタービジネスとは

データセンターとは、日本データセンター協会によると以下のように定義されています。

データセンターとは、インターネット用のサーバやデータ通信、固定・携帯・IP電話などの装置を設置・運用することに特化した建物の総称を指します。

https://www.jdcc.or.jp/activity/datacenter/

より具体的に言うと、企業が持つIT機器(サーバ機器、ネットワーク機器)を置く場所を提供したり、メンテナンスや監視などの運用まで代行してくれるのがデータセンターです。火災や地震などさまざまな災害に備えた対策が取られていることや、24時間365日の監視、入室の厳重管理も行われているため、安全性の高い建物となっています。

データセンタービジネスが提供しているサービスは、大きく「ハウジング」と「ホスティング」の2つに大別することができます。それぞれご説明いたします。

ハウジングサービス

一言で言うと、「場所を貸すこと」です。
コンピューターや通信機器などのIT機器を、安全性の高いデータセンター内に場所を借りて管理するサービスです。ハウジングサービスを利用することによって、安全性が高く入室管理も厳重に行われている環境でIT機器を運用できます。

ホスティングサービス

一言で言うと、「サーバをレンタルすること」です。
データセンターが敷地内に設置したサーバを、ネットワーク越しに顧客に利用してもらうサービスのことです。企業はサーバを所有する必要性がなくなり、自社で資産を持つことによる維持費を削減することができます。

「ハウジングサービス」と「ホスティングサービス」を活用することで、高いレベルでの可用性や冗長性、機密性を実現することができます。これら2つの軸を元に、事業を展開しているのがデータセンターです。

そんなデータセンタービジネスは今、大きな変換点を迎えています。
まずは、今に至るデータセンタービジネスの変遷をご紹介します。

データセンタービジネス、時代による変化

データセンタービジネスの変遷は、1970年代から今にかけて大きく3つの段階に分けることができます。

1.安全性が求められたデータセンター運営

データセンターの始まりは、電話の交換局としての利用でした。通信の要を担っていたため、災害に強く安全性が高いことが要求されていました。

一方で、企業のIT機器は社内のコンピュータ室で管理されているのが一般的で、まだデータセンターに運用・管理を任せることは少なかったようです。

つまり、当時のデータセンターは一言でいうと「安全なハコ」として一部の企業に利用されていました。

しかし安価で高速なインターネットが普及したことや、コンピューターの低価格化が、データセンターに大きな変化をもたらしました。

2.「コスト削減」データセンター運営

1990年、2000年代に入ると、安価で高速なインターネットが普及し、コンピューターの低価格化が進みました。それに伴い管理しなくてはならない対象機器が増え、企業におけるシステム運用・コスト増大が問題として認識するようになります。この問題意識をきっかけに、一般企業におけるデータセンターの利用が爆発的に増えていきました。

一方、データセンター事業者は利用者の増大に伴い、増設や増床を繰り返しながら拡大していきました。また、利益拡大のために維持費や運用費のコスト削減を実施していく事業者が増えていきました。

ですが、2010年に入ると、徐々にコスト削減から方向性が変わり始めます。

3.サービスの質向上に向けたデータセンター運営

近年では、コロナウイルスをきっかけにデータセンターは「コスト削減」から「サービスの質向上」に取り組む必要性が出てきました。もはやデータセンタービジネスは、サービスの質を向上しなければ利益を上げられない業界の構造へと変わってきています。

では、一体、なぜサービスの質向上に取り組まなくてはならないのでしょうか?

拡大するデータセンターマーケット

データセンターの市場規模は、今後さらに拡大してくと考えられています。参考として、以下のグラフを見て頂くとクラウド系サービスを軸に、毎年200億円ずつ拡大していく見込みです。

データセンター市場規模推移

市場が拡大していく要因は、上記グラフを見ていただくと分かるとおり、クラウドサービスの普及です。大口顧客である大手クラウドサービスプロバイダーなどのハイパースケール企業の需要が高まり、データセンタービジネスが急速に拡大していくことが考えられます。

更にこの状況を加速させたのが、コロナウイルスです。企業のテレワーク化に伴い、ツールをクラウド化するなど今後もより一層普及していくことが見込まれます。

以上を踏まえると、今後さらに成長していく市場にいるデータセンタービジネスの未来は明るいと感じられるかもしれません。確かに市場規模が拡大するため、大きなビジネスチャンスを掴める可能性は高まります。ですが先々を見据えると、熾烈な競争の時代が待ち構えています。

一体、データセンターはどのように熾烈な競争の時代を乗り越えていけばいいのでしょうか?

データセンタービジネスの考察記事 第2弾はこちら

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