前回の記事では、弊社で1年間ニューノーマルな働き方を体験した5人の社員たちが感じているテレワークでの課題をまとめました。

本記事では、全社的な視点から最適なテレワークを模索している経営層が考える、「これからのテレワーク」を取り上げています。

これから来るアフターコロナという未来をどのように構想しているのか、詳しく知りたい方は、是非、ご覧ください。


テレワークが変えるこれからの働き方

コロナウイルスによる感染リスクで、急速に広がったテレワーク。一度目の緊急事態宣言を境に、実施率は2倍も上昇しています。しかし、それ以降、徐々にテレワーク実施率が下がっているんです。

テレワーク実施率データ

徐々にテレワーク実施率が下がっている原因は、通勤による感染リスクが低いことが証明されたことも要因としてあると思いますが、根本的にはマネジメント層と社員の「2者間の不安」です。
実際に、マネジメント層は部下がしっかり仕事をしているか?や、部下の心身の健康の悪化が不安で、一方社員は上司からさぼっているのでは?と思われることや、非対面のやり取りでの不安を感じています。

また、最終的に感染リスクのないアフターコロナへとシフトしていった場合、オフィスワーク一択から選択肢が広がった私たちの働き方は、どのように変化していくのでしょうか。

これからウィズコロナにおける意思決定を振り返り、アフターコロナに向けた経営層の考えをご紹介していきます。

ウィズコロナにおけるマネジメント

まず、ウィズコロナにおけるマネジメントは、どのような意図で意思決定が行われたのか伺いました。

すると、以下のように話してくれました。

『ウィズコロナにおけるテレワークでは、政府がテレワーク実施率の目安として発表している「70%」を目標に、推進しています。70%を目標に進めている中、もちろん感染リスクを広げないといった意図で行っているものの、一方でアフターコロナに向けて、各部門での最適なオフィスワークとテレワークの配分を実験するといった意味合いでもテレワークを行っています。』

「感染リスクを下げる」だけでなく、「各部門のオフィスワークとテレワークの最適な配分を見つける」といった意図も持ってテレワークを実施しているようです。

緊急事態宣言当時は、出社が必要な業務担当者以外は、完全テレワークで進めていました。しかし、最適な配分を探すため、各部門ごとの特徴や社内でのフィードバックを元に、出勤体系を変えています。

例えば、営業部門の記事で取り上げたように、営業は他部門に比べ連携が多いという特徴を持っていました。教育面でいうと、部下が上司の営業をしている姿を見て学ぶことや、上司が部下の電話のトークを聞くことでチューニングをする対面ベースでのやり取りが多いことから、オフィスワークの方が生産性が高い傾向にありました。そこで週2出社という形をとっています。

一方、開発部門の記事で取り上げた開発部門では、個人個人でタスクに取り組むことが多い特徴上、集中して業務に取り組むことが多かったようです。そういった背景もあり、自宅という落ち着いた空間で業務に取り組めるテレワークの方が、生産性が高い傾向がみられました。そのため開発では、月1出社という形をとって対応しています。

つまり経営層は現状として、感染リスクを避けるというウィズコロナにおける対応だけでなく、将来を見据えたオフィスワークとテレワークどちらが最適なのかというアフターコロナも見据えた試行錯誤も行なっているようです。

アフターコロナ「蓄積した過去」と「目指す未来」

アフターコロナでは働き方の選択が自由になる一方で、「これまでが蓄積された過去」と「目指す未来」の間で、マネジメントがかなり難しくなると話していました。

そこで具体的に、過去と未来について話を伺いました。

過去に蓄積された企業文化、慣習

これまで蓄積された過去として、以下のような話をしてくれました。

『オフィスワークを中心に働いてきた世代は、仕事が物理的環境と紐づいている傾向があります。具体的に、弊社でいうと20年間、銀座という土地と共に働き培ってきた企業文化や、こなしてきた仕事があるため、ある意味、仕事と物理的環境が密接につながっていて、どうしてもテレワークには違和感を抱くと感じている人が多いように感じます。』

また、制度に関しても以下のように話してくれました。

『現在の制度は、オフィスワークを前提としたものとして作られています。例えば、就業規則でいう労災はオフィスワークを元に作られているため、テレワーク下で事故に巻き込まれると仕事中に起きたものなのか、それとも私的な行為により起きたものなのかが判断しにくくなり、労災が適用されないというケースもあります。弊社では、とりあえずテレワークを始め、就業規則の整備は、常に試行錯誤を繰り返しながら進めています。』

つまり、仕事が物理的環境とつながっている価値観や、オフィスワーク向けに作られた就業規則をテレワークにも適用できるように整備するといった、過去に蓄積されたものをどう扱うかが今の課題のようです。

経営層の描く未来

これから訪れるだろう新しい時代に対し、経営層はどのような未来を描き、見ているのでしょうか。

そこでまず今後の働き方について話を伺いました。

『50年後か、100年後の未来では、仕事に人が紐づくようになると思います。具体的に、物理的な場所という概念がバーチャルに代わることで、物理的環境に人が集まるのではなく、仕事に人が集まるようになります。もしかすると将来的には、ジョブベースでの雇用形態というのも一つの可能性としてあるかもしれません。しかし、仕事に人が集まるというのは業務委託契約に近しいものになってくるので、そもそも会社への帰属意識といった概念がどうなるのか?など難しいことは多いです。』

また、現状のオフィスワーク向けの制度から今後どのように変化していくのかについては、テレワークでも対応できる制度を整えていくと話していました。個人個人がベストなパフォーマンスを発揮できるような雇用形態へとシフトしていくのだろうと思います。

つまり時間をかけて、徐々に物理的環境からバーチャルな環境へ、集団から個人へとシフトしていくと考えていました。

変化の渦にさらされる現在

現在は、過去から未来へと変化していく変化の渦のど真ん中にいます。この変化の渦の中、直面している課題について、以前の3つの変革の記事で取り上げた「意識」「制度」「環境」の観点でご紹介致します。

意識:物理的環境に仕事を紐づける価値観から仕事に人が集まるという価値観へのシフト。

制度:オフィスワークを前提として作られた就業規則とテレワーク時に求められる就業規則の不一致

環境:オフィスという環境があったからこそ、生まれていた会話やアイデアをどう生み出すか。

上記のような課題に直面しており、中でも対応が難しいものを伺うと、以下のように話していました。

『オフィスで働いている当時は、社員の働いている姿や物理的環境など見えるものをマネジメントしていました。しかし、テレワークに入り、これまで見えていたものが見えなくなっている、つまり不透明な中で行わなければならないマネジメントはかなりスキルが問われます。』

テレワーク下でのマネジメントでの課題は多くあり、それを解決するため現在も試行錯誤をしているようです。

経営層はテレワークに賛成or反対

賛成か反対か

経営層は、テレワークに「反対」でした。

というのも、これまで何十年間もオフィスへ出社し、働いてきたという、「仕事が物理的環境と紐づいている価値観」にあるそうです。

実際に、以下のように話してくれました。

『昭和世代の私たちは、何十年間も物理的環境の中で仕事をしてきたため、仕事と環境が密接に結びついています。そのため、どうしてもテレワークだとやりづらい部分や違和感が多いです。例えばテレワーク下でのコミュニケーションです。単一目標に向けて単一会話になってしまうため、対面に比べ自由な会話ができないことに、どうしても違和感を感じます。』

しかし、テレワークに対して完全に否定的ではなく、以下のようにも話してくれました。

『現在は、テレワークに違和感を感じる世代とテレワークをすんなり受け入れた世代、つまり「蓄積された過去の働き方」と「未来の働き方」のはざまにあります。そこで現状、最適な働き方は、選択肢の幅があるハイブリッドな働き方です。そのハイブリッドな働き方を進めていくにあたり、過去から未来へ、何を引き継ぎ、変更し、置いていくのかを常に試行錯誤していかなくてはなりません。』

冒頭のテレワーク実施率が下がっていることからも、テレワークのみでは実現できない部分もあるため、オフィスワークとテレワーク両者の適切な配分を元にした、ハイブリッドな働き方がこれからの働き方の軸になってくるのではないでしょうか。

ここまでは、経営層が今後、テレワーク推進をどのように進めていくべきかの意見について伺いました。

次回は、弊社がテレワークを進めていくにあたり具体的に取り組んできたことをご紹介致します。

本ブログでは、テレワークについて「弊社が取り組んでいること」から「感じている課題感」まで、幅広く更新していきます。

是非、以下URLから随時ご確認ください。

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