本シリーズでは、弊社コムスクエアの熱いモノづくりについてご紹介しております。
前回の内容を軽く振り返ると、一度は失敗したLED監視の自動化プロジェクトを再度、取り組むに至った背景についてご紹介致しました。
きっかけは、「LEDランプを目視巡回していて面倒」だという弊社が展開しているMSP事業部からの声でした。
そんなLED監視自動化プロジェクトの再検討に至った背景を詳しく知りたい方は、以下URLからご覧ください。
目次
LED監視自動化プロジェクト、3つの課題
さて、今回はLED監視自動化プロジェクトが再び始まり、具体的に取り組んでいったことをご紹介していきます。
再検討に当たり「本当にニーズがあるのか」、或いは「ニーズがあるとすれば、どの程度あるのか」調査を行いました。
弊社では、データセンターや情報システム部門向けに、統合監視ツール「パトロールクラリス」を販売しております。そこでパトロールクラリスの導入ユーザーに対して、「サーバやネットワーク機器のLEDランプの目視巡回を自動化したいですか?」というアンケート調査を行いました。
何%の人が目視巡回に対して、自動化ニーズを抱えているか、是非、想像してみたください。
ラック内のLEDランプの目視監視を自動化したいですか?
結論からいうと、約66%の企業が自動化ニーズを抱えていました。そこから目視巡回に対して、面倒だと感じている企業が多いことが分かりました。
一方で、自動化のニーズを抱えている企業は多いものの、実際に製品を導入していたり、自社内で開発している企業はほとんどいないという現状がありました。
目視巡回を自動化したい企業は多いの対し、自動化が進んでいない原因とは一体何なのでしょうか?
LED監視の自動化が進んでいな原因
自動化が普及していない原因を探っていくにあたり、競合他社の類似製品を調査していきました。調べていく中で判明したのは、競合他社の販売価格が高いことでした。それが要因となり、費用対効果が見込めず、検討を見送る企業が多く見られました。
また製品を導入するのではなく、自社で開発を試みた企業も多くいました。ですが技術的ハードルが高く、実現できたとしても削減可能な工数よりも圧倒的にコストがかかってしまい、見送るケースも多かったです。
自動化できない原因である費用対効果の悪さを解決するため、弊社では可能な限り低コストで導入できるような製品を開発することが目標の一つになりました。
LED監視、顕在化してきた3つの課題
低コストな製品を開発するという目標の元、プロジェクトが進んでいきました。
しかし、LEDを監視するための電磁回路の基盤づくり等の開発は、弊社がコアとしているソフトウェア開発の分野から外れた新たな挑戦であることや、元々技術的ハードルが高いこともあり、困難な課題に多くぶつかりました。中でも、特に解決するのに苦労した3つの課題がありました。
1点目は、センサーを固定するために必要なパーツ作りです。サーバごとにLEDランプが、取り付けられている状況が異なっていることや、パーツ設計の最適化に向けてかなり試行錯誤したようです。
2点目は、電子回路の基盤づくりです。これは外注するという発想もあり、一度、専門の基盤屋に見積もりをとってみたのですが、想像を超える何百万単位での見積もりが出てきたため、自社内での製作で検討をすすめましたが、社内には今まで基盤づくりを行った経験のある社員は一人もいませんでした。
最後3点目は、コストを抑えるためにハードウェアのスペックを最小限にしたうえで、高度な機械学習などを実現することです。先ほど挙げたコストパフォーマンスの観点で一番のネックはハードウェアのスペックでした。そのためハードウェアのスペックを最小限にし、その条件下のなかで必要な機能をを組み込むことにはかなり苦労しました。
上記のように多くの課題にぶつかり、時には前提を考え直す必要性も出てきました。しかし現在では、LED監視の自動化に向けたプロジェクトは成功し、市場に向け製品を展開しております。
弊社が困難な課題をどう乗り越えていったのか、その変遷について次回以降の記事でご案内いたします。